カスピ海は、外の海とつながっていない水域としては世界最大で、面積はおよそ37万平方キロ、日本の国土とほぼ同じ広さがあります。周りを囲むのは、ロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、イラン、アゼルバイジャンの5か国です。
呼び方で、取り分が変わる
「海」と「湖」のどちらとして扱うかは、名前の問題ではありません。
- 海とすれば、国連海洋法条約の考え方に沿って、沿岸からの距離で各国の水域が決まる
- 湖とすれば、沿岸の国どうしで話し合って分け方を決める
湖底には石油や天然ガスが眠っています。どちらの考え方をとるかで、各国が使える資源の範囲が変わるため、ソ連の解体後、長く話し合いが続きました。
2018年の「アクタウ条約」
2018年、5か国はカザフスタンのアクタウで、カスピ海の法的地位に関する条約に署名しました。カスピ海を海とも湖とも言い切らない「特別な地位」とし、水面は共同で使い、湖底の分け方は隣り合う国どうしの取り決めに委ねる、という形で折り合いました。
東と西をつなぐ道として
近年、カスピ海は東西を結ぶ物流の道としても注目されています。中央アジアからカスピ海をフェリーで渡り、コーカサスを抜けてトルコ、ヨーロッパへ向かう「中央回廊」と呼ばれるルートです。
アプリの地図で、カザフスタンとアゼルバイジャンを順に開いてみてください。カスピ海をはさんで向かい合う両国の位置関係が、このルートの意味を教えてくれます。